こんにちは。薬剤師のクエ美です。
小さい子どもって、よく熱を出しますよね💦
しかもそれが、なぜか夜間や休日など、病院にすぐにかかれないような時だったりして。
そういう時に頼りになるのが、小児科でもらって、使わず冷蔵庫に残してあった熱さましの坐薬。
子どもが苦しんでいるのを少しでも楽にしてあげたい!
そんな気持ちでお父さん、お母さんは手にするはずです。
ん?でも待てよ。
この坐薬、もらった時から時間が経っているけど、今はどのくらいの量、使っていいんだ?
1/2や2/3って…どうやって割ったらいいの?
おしりに入れたと思ったら出てきたけど、どうすればいいんだろう?
いざお薬を使うとなるとたくさん分からないことが出てきませんか?
今回は、いざという時に困らないように
子どもの熱さまし坐薬の使い方について、シリーズで解説していきたいと思います。
今日は、その第一弾
- 子どもに使う熱さましの薬とは?
- 熱さましを使うタイミングとは?
- 自分の子どもにはどのくらいの量、使えるの?
についてです。
子どもに使う熱さましの薬とは?
子どもに使う熱さましと言えば
『アセトアミノフェン(商品名:カロナールなど)』です。
※『ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレンなど)』『メフェナム酸(商品名:ポンタールなど)』など他にも小児の適応のある薬はありますが、インフルエンザによる発熱には原則使用しないこととなっており、ウイルス性感染症の熱さましにはあまり使われていません。
アセトアミノフェンは、低年齢で使え、世界中で安全性が確かめられているため、子どもの熱さましにはとてもよく使われています。
このアセトアミノフェンを主成分とする坐薬は様々な商品名で販売されています。
- アセトアミノフェン坐剤「〇〇〇」
※〇〇〇には製薬会社の会社名が入ります - カロナール坐剤
- アルピニー坐剤
- アンヒバ坐剤
これらは、使う量が同じであれば、効果はほとんど変わりません。
熱さましを使うタイミングとは
熱さましの薬は基本的には、発熱により体が辛い時に使用します。
ウイルスや細菌による感染症で熱が上がるのは、体温を上げて病原体と戦おうとしているからで、それを無理に下げる必要はありません。
また、熱冷ましはあくまでも症状を抑えるものであって、ウイルスや細菌そのものをやっつけて病気を治すわけではない、ということも忘れてはならない点です。
目安として、38.5℃以上の発熱がある場合に使うという指示で出されることが多いですが、本人が熱があっても元気であれば、熱冷ましを使わずに様子をみることもあります。
つまり、熱さましを使うタイミングは、体温や、4-6時間の投与間隔などの数字で決めるのではなく、子どもの様子を見て決めます。
アセトアミノフェンは子どもにどのくらいの量使えるの?
アセトアミノフェンは子どもの体重1kgあたり1回10mg~15mgの範囲で使用します。
ただし、1 日の合計が60mg/kgを超えないようにしなければなりません。
また、子どもの熱冷ましに使う場合の、1 回あたりの最大用量は500mg、1 日あたりの最大用量は1500mg でなので、主な体重における1回あたりの服用量、1日の最大用量は下の表のようになります。
1回あたりのアセトアミノフェン量 | 1日の最大用量 | |
体重5㎏の場合 | 50㎎ ~ 75㎎ | 300㎎ |
体重10㎏の場合 | 100㎎ ~ 150㎎ | 600㎎ |
体重15㎏の場合 | 150㎎ ~ 225㎎ | 900㎎ |
体重20㎏の場合 | 200㎎ ~ 300㎎ | 1200㎎ |
体重25㎏の場合 | 250㎎ ~ 375㎎ | 1500㎎ |
体重30㎏の場合 | 300㎎ ~ 450㎎ | 1500㎎ |
体重35㎏の場合 | 350㎎ ~ 500㎎ | 1500㎎ |
体重40㎏の場合 | 400㎎ ~ 500㎎ | 1500㎎ |
上の表からも分かるように、使う坐薬の量は、子どもの体重によって決まります。
(体重が重くなると、服用量の上限までいくため頭打ちになります)
そのため以前もらって、お家に保管していた坐薬を使う時に、処方時の体重と、現在の体重が大きく異なっている場合は要注意!
そのまま薬の袋に書かれている量で使ってしまうと、お薬の効果が十分に出ないことがあります。
私の場合ですが、保管する前にお薬の袋に、処方された時の子どもの体重を書いておくようにしています。
使用する量が分からない場合は、その薬をもらった薬局に連絡したら、子どもの体重から計算してもらえると思いますよ。
(私の働く薬局でも時々そのような電話がかかってきます)
最後に…
今日は
子どもに使う熱さましの薬とは?
熱冷ましを使うタイミングとは?
自分の子どもにはどのくらいの量、使えるの?
について紹介しました。
●アセトアミノフェンは小児の使用経験が多く、安全性高いと言われています。
● 熱が出たからと言って、すぐに熱冷ましを使うのではなく、まずは子どもの状態を観察しましょう。
● 使う量は、子どもの体重によって異なります。分からない場合は、医師または薬剤師に相談してから使用するようにしてください。
第2弾は
熱さましの坐薬の使用期限について
坐薬の保管方法について
です。